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虫の声って情緒があり、特に日本特有の文化って感じがしますね!
ですが、この虫の出す音・声が日本人にしか聞こえない、という論調があったので(っというかこれを肯定する意見しか出てこなかったので)ちょっと自分は疑問に思ったわけです。
それは本当に本当なのか?
日本人であるがゆえのなんとなくの感情論ではないのか?
っということで実際に仲の良い外国の友達にも聞いてみたので実情をお話したいと思います。
目次
第一に言われているのが音を聞き分ける脳が違う、という点があげられています。
日本人は虫の音を言語脳である左脳で聴き、西洋人は音楽脳と呼ばれる右脳で聴いているということです。
右脳は音楽だけでなく機械音や雑音も処理し、虫の音も西洋人にとっては同様の機械音・雑音でしかない、ということです。
実際に医学者である角田博士が1987年にキューバで開かれた国際学会に参加した時、会場をおおう蝉しぐれのような虫の音に周りの誰も気づかなかったそうです。
この説を元に角田博士は1978年に『日本人の脳』を出版しベストセラーとなりました。
恐らくこれが大きな理由で外国人に虫の音は聞こえない、と世間に広まっていったのだと思われます。
本が出版され右脳と左脳で聴き分ける脳に違いがあることが分かりました。
ですが、その実証を裏付けるデータがほぼ見つかりませんでした。
唯一見つかったのは神戸女子学院大学機関リポジトリです。
鳴く虫5種に対する日本人と外国人への「好き」「嫌い」(PDFデータがダウンロードされます)というタイトルで、研究結果が報告されています。
ちなみにこの鳴く虫というのは、エンマコオロギ・キリギリス・スズムシ・ミンミンゼミ・ヒグラシの5種です。
オーディオプレイヤーに虫の音を録音し、日本人と外国人に好き嫌いで答えてもらう、というものでした。
対象となった外国の方はアメリカ・オーストラリア・イギリス・フランス・イタリア・スペイン・ドイツ・オランダ・中国の計362人です。
結果は日本人も外国の方もバラバラ。
なんならミンミンゼミは日本人も同様に嫌っている人の方が多い。
日本人で8割以上が好き回答していたのがエンマコオロギ・スズムシ・ヒグラシでしたが、これは海外の人もおよそ6~8割の人が好きと答えています。
このデータから読み取れることは、日本人・外国人ともにバラバラ、というより人による、ということです。
アメリカ人の友達にも実際に本音で聞いてみました。
“海外で蝉とか他の虫とか鳴いてたら騒音もしくは聞こえないとかってほんと?例えば日本ってスズムシとかの虫の音は侘び寂びに通じるような心を癒すというか、単なる騒音ではないんだよね”
“う~ん人によるかな、蝉の音とかただうるさいって人も多いと思う。でも虫の音に独特の風情を自分は感じるし、他のアメリカ人でも単なる騒音ではなく風情として好きな人もそれなりにいると思う”
とのことでした。
アメリカ人も人による、ということですね。
ちなみに昨年「Dont Look Up」という映画をNetflixで見たんですね。
場面が切り変わる間際に少しの間虫の音だけを入れたシーンが入ってたんです。
スズムシのような声で、明らかに視聴者に聴かせることを意図していることが分かりました。
これを見た時点で正直自分はあっ、やっぱり分かるんだな、と感じました。
その他自分が学生時代か卒業後、ずいぶん昔に使っていた英語教材のThe Adventures of Drippyでもcricket(コオロギ)が出てきました。
Chirp chirpと静けさの中鳴く場面がありましが、まさしく日本でいう虫の音でした。
シドニイ・シェルドン著でナレーションはオーソン・ウェルズ、英語初~中級者の方にはお勧めしたいです(ただこちらは昔ながらのカセットテープそして今はハードカバーしか売ってないかもです)。
結論を言ってしまうと、外国の人にも日本でいう虫の声は聞こえる、ということです。
あくまで自分が調べたり実際に聞いたりした自分なりの結論ではありますが。
脳の違いはあると思いますが、日本人でも虫の音が好きと言う人もいればただうるさい、という人もいます。
外国の人も同様です。
そもそも詫び寂びの文化を日本人以上に理解している外国の方も今はけっこういたりします。
やはり何かを正や負というのでしたら、それをはっきりと裏付ける神戸女子学院大学の方々が行ったような具体的なデータが必要です。
そのデータでさえどれだけの母数にどこで行ったのか、性別・年齢・国籍その他の要因でも大きく結果が異なってくることがあります。
虫の音や詫び寂びを理解できるのは日本人だけ、という感情部分の前にその裏付けは?専門家が言ってたらそれは絶対?と自分なりに疑問を持って確認することがこの件に限らず大切だと感じました。