ジブリ映画の英語タイトル18作品まとめ!解説とともにご紹介します!

ジブリ映画の英語タイトル18作品まとめ!
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先月から4作品のジブリの映画がTOHOシネマズの映画館で上映されていますね!

自分も「風の谷のナウシカ」を映画館まで見に行きました!

ジブリの映画は世界で有名ですが、その英語のタイトルは日本語とは少し違ったニュアンスで訳されているものもいくつかあります。

ここでは1984年の風の谷のナウシカ~2013年のかぐや姫の物語まで18作品のジブリ映画の英語版タイトルを簡単な解説とともにご紹介できればと思います。



風の谷のナウシカ (1984年)

Nausicaä of the Valley of the Wind

Nausicaä”の部分は英語ではなくドイツ語ですね。
英語ではナウシカは“Nausicaa”となります。

ですが、海外ではNausicaäがナウシカの訳として一般的に使わています

Valley“谷・渓谷”という意味になります。

“谷”にはその他にGorgeRavineという英語も使うことができます。
ただ、広大な山と山の間を川が流れるような谷の意味合いではValleyが用いられます。

GorgeやRavineは深く切り立った山々(川が流れていることもあります)に対して使われます。

風の谷のナウシカに登場する広々した山の間を川が流れる風の谷の村はまさしくValleyですね。

天空の城ラピュタ(1986年)

Castle in the Sky

英語訳ではLaputaという名前がどこにも入っていませんね。
Castle in the Sky“天空の城”で具体的なお城の名前までは入れていません。

“天空”にはCelestialという英単語もありますが、シンプルに空ということでここではSkyが使われています。

こちらの方がより簡単に空に浮かぶラピュタのイメージを想像しやすいからかもしれませんね。

となりのトトロ(1988年)

My Neighbor Totoro

Neighborは名詞で“隣人・近所の人”、形容詞で“隣の・近くの”という意味です。
Myを付けて“私の”と強調していますね。

トトロは単なるご近所さんではなくきっと特別なご近所さんだからなのですね。

魔女の宅急便(1989年)

Kiki’s Delivery Service

Delivery Service“宅急便”です。

魔女は訳されていませんが、もし訳すとすると“Witch”となります。

英語のタイトルでは魔女の代わりに主人公であるキキの名前を入れ、Kiki’s Delivery Serviceとなっています。

英語では「キキの宅急便」、日本語では「魔女の宅急便」、印象がけっこう変わってきますね。

ここは個人的な想像ですが、魔女というと欧米ですと歴史上からもネガティブなイメージを与えてしまうので(日本のような単に想像上だけのイメージではなく)、あえて省いて個人名を入れたのかもしれません。

おもひでぽろぽろ (1991年)

Only Yesterday

こちらはもう完全に意訳となっていますね。

思い出というよりおもひで、そして、ぽろぽろといった擬態語はどう訳されているのかと思ったら“Only Yesterday”でした。

Only Yesterday“つい昨日”ということですね。
Onlyには“~だけ・たった1つの・唯一の”という意味以外に“つい~”という意味もあります。

Only Yesterdayと言えば真っ先に思い浮かぶのがカーペンターズですが、このおもひでぽろぽろのストーリーを伝えるのにはOnly Yesterdayが適切な訳として選ばれたのですね。

個人的には意訳にしてももっと違う形の意訳になると思っていただけに、意外な訳でした。

紅の豚(1992年)

Porco Rosso

こちらの訳も日本語とは全くちがいますね。

このPorco Rossoは最初豚となった主人公の名前かと思っていたのですが、主人公にはマルコというれっきとした名前がありました。

なによりタイトルが英語ではなく実はイタリア語でした。

Porcoはイタリア語で“紅”Rossoは“豚”となります。
イタリア語で紅の豚となるのですね。

ちなみに英語で直訳するとしたら“Crimson”“豚”“Pig”なので、Crimson Pigになりますね。

平成狸合戦ぽんぽこ(1994年)

Pom Poko

これはもはやそのままですね。

ジブリの訳は完全な意訳があったかと思えば他の国の言葉だったり、今回のように擬音語をそのまま入れていたりと面白いです。

確かにぽんぽこはぽんぽこで訳しようないですしね。

ちなみには英語で“Racoon Dog”です。

Racoon“アライグマ”のことで、アライグマに見た目が似ていることからRacoon Dogとなったそうです。

Japanees Racoon DogもしくはTanukiとそのまま表記されている場合もあります。

そのうちTanukiで世界共通語になりそうな気もしますね。

耳をすませば(1995年)

Whisper of the Heart

個人的にいいな、と感じた訳です。

こちらも意訳ですね。

Wishperは名詞で“ささやき・ささやき声”という意味があります。
Heart“心”ですね。

耳をすます、という言葉を、心のささやき、と表したのは素敵だな、と個人的に感じました。

仮に“耳をすまして聞く”、という部分を直訳するとしたらListen for~という英語を使うことができます。

音楽でも鳥のさえずりでも耳を澄まして聞く場合にはこのListen forを使うことができます。

もののけ姫(1997年)

Princess Mononoke

こちらはそのままの直訳ですね。

Princess“王女・王妃”という意味です。
もののけはそのまま“Mononoke”となっていますね。

ここに関しては本来はPrincess Sunがより適切です。
Sunは女性主人公であるサンの名前です。

というのも、Princess DianaのようにPrincessの後には通常個人名が入るからです。
もののけは妖怪や霊の総称のことであって、個人を特定する名前ではないからです。
もしくは接頭に“The”をつけることで、「もののけ“の”姫」とすることもできます。

千と千尋の神隠し(2001年)

Spirited Away

自分はこの映画のおかげで神隠しの英語を知ることができました。

Spirit away“神隠しにあわせる”という意味です。
Spirit offも同様の意味で使うことができます。

ただ、タイトルはSpirit Away、ではなく、Spirited Awayとedが入っていますね。

これは、主人公である千が神隠しをしたのではなく、千が神隠しされた、からです。
受動態の“~された”の意味でedが入っているのです。

猫の恩返し(2002年)

The Cat Returns

分かりやすいシンプルな訳ですね。

“恩返し”にはReturnが使われています。

Returnは名詞で“返却・返品・返送・帰宅・帰還”等の意味があります。
“返礼・お返し”という意味でもこのReturnは使うことができます。
Return the favor“恩を返す”という意味です。

Repayも同様の意味で使うことができます。

それでは昔話でも有名な「鶴の恩返し」はどんな訳になるのでしょうか?

一般的な英語訳は“THE GRATEFUL CRANE”、または、“The Crane of Gratitude”となります。

同じ恩返しでもジブリの猫の恩返しとは全く違う訳ですね。
翻訳も正解は決して1つではないです。

ハウルの動く城(2004年)

Howl’s Moving Castle

これはそのままなので特に解説の必要もないかと思います。

ハウルの動く城なので“Howl’s Moving Castle”ですね。

このハウルの動く城、日本ではもののけ姫や千と千尋の神隠し、となりのトトロ等々のジブリアニメと比べるとあまりその評判を聞きません。

ですが、海外ではすごい人気です。
ジブリ英語の中でもハウルの動く城が一番好き、という欧米の人も多いです。

日本と海外との面白い文化差だと感じました。

ゲド戦記(2006年)

Tales from Earthsea

これも意訳ですね。

どこにもゲドの名前も戦記の意味の英語もありません。
ですが、このゲド戦記、元々がアメリカが先の作品です。

1968年から2001年にかけて出版された小説がこのゲド戦記です。
30年以上の歳月をかけて作られた小説でハリーポッターのように数部から成り立っています。
ジブリのゲド戦記は中でも1972年に出版されたThe Farthest Shoreを原作としています。

Earthsea作中に登場する架空の世界を指します。

Tale“物語・冒険談”です 。

Gedは作品に登場する大賢者の名前です 。

Chronicleには“年代記・記録・物語”という意味があります。

戦記は記録・歴史なので“War Chronicle”、または“Chronicle of the warと訳すことができます。

日本語のゲド戦記は実際に直訳すると“Ged’s War Chronicle”となります。

崖の上のポニョ(2008年)

Ponyo

こちらもそのままの名前ですね。

英語のタイトルからは崖の上が省かれています。

崖の上を実際に訳すと、“Top of the cliff”となります。
Cliff“崖・絶壁”のことです。

映画のCliffhangerは有名ですね。 こちらも崖にぶら下がる(Hanger)必死の状況からCliffhangerというタイトルです。

借り暮らしのアリエッティ(2010年)

The Secret World of Arrietty

借りぐらし“Secret World”と訳されています。

“秘密の世界”ということですね。

こちらも実はゲド戦記と同様にオリジナルの小説を元に作られた作品です。 1952年にイギリスで出版された「The Borrowers」という小説が元の作品です。

Borrow“借りる”借りる人“Borrower”となります。

コクリコ坂から (2011年)

From Up on Poppy Hill

コクリコはフランス語でCoquelicot、ひげなしの花を意味します。

ひげなしは英語で“Popy”です。 

の意味で“Hill”が使われているところも注目したいです。

Hillというとどちらかというと丘をイメージする方も多いかもしれません。
また、坂と言えばSlopeを想像する方もいると思います。 

実際Slopeは“急斜・傾斜”を指し、町でよく見かけるようなちょっとした“坂道”にはHillが使われます。 

Hillには“丘”以外にも“坂”という意味もあるのです。 

From up on“~の上から”ということですね。 
From Up on Poppy Hill“コクリコ坂の上から”ということです。

風立ちぬ (2013年)

The Wind Rises

Riseを使っているところがいいな、と感じた訳です。

Riseには”起きる・上がる・立つ”等の意味があります。
“地面や水面から浮かび上がって、生じる”、という意味でもこのRiseは使うことができます。

風が吹く、という意味ではBlowも使用することができまね。

The Wind Blowsとしても“風が吹く”、という意味となります。

ただ、地面からわき起こる・わき立つような風のニュアンスはRiseの方がよりそのイメージを伝えてくれます。

かぐや姫の物語 (2013年)

The Tale of Princess Kaguya

Taleはゲド戦記でも使われていましたね。

ゲド戦記では戦記を表す言葉としてTaleが使われていましたが、かぐや姫の物語では、物語を表す言葉としてTaleが使われています。

Taleには“物語・作り話・うわさ話”といった意味があります。

空想上・想像上の話というイメージがあるかもしれませんが、実際に起こった出来事についても使われる場合があります。

Storyも同様に“物語”の意味で使われることがります。

こちらも実際に起こった出来事から想像上の話まで広く使われます。
なんの含みもなく、単にそういう話や出来事があったと伝える時にはStoryを使うことができます。

かぐや姫や竹取物語等、日本の昔話やおとぎ話等はTaleの方がよりその特有のニュアンスを伝えられますね。




ジブリ映画の英語タイトルまとめ

ジブリの英語タイトルは他の国の言葉が入っていたり、完全に意訳になっていたかと思えば、日本語そのままで入っていたりと、どれも興味深い英語訳となっていました。

それぞれの作品の内容を伝えるのに、長い時間をかけいくつもの案の中から最終的に選ばれた訳文です。

1行・数文字の単語で収まる短さでその内容をしっかりと伝える、というのはとても難しいことだと感じます。

ですが、Whisper of the Heart(耳をすませば)やThe Wind Rises(おもひでぽろぽろ)等は、意訳でもそのイメージがす~っと伝わってきます。

そもそものオリジナルの日本語タイトル自体も素晴らしいな、と感じます。

翻訳は知れば知るほど奥が深く、面白世界だと感じます。