もののけ姫の英語タイトルは本当にPrincess Mononokeで良いの?気になったので調べてみました

もののけ姫

ジブリが好きな人でしたら「もののけ姫」が好きな人も多いはず。

このもののけ姫は世界でも評価の高い映画、とりわけフランス等ヨーロッパの国では人気が高い気がします。

もののけ姫は英語タイトルとして「Princess Mononoke」が使われています。
が、このタイトルは英語として本当に正しいのでしょうか?



もののけ姫のタイトル

Princess Mononoke、これが英語のタイトルとして使われているので、うん確かに、もののけと姫でPrincess Mononoke
自分も特にこれといった疑問も浮かばず、そのまま受け止めていました。

ですが実はこのタイトル、よく考えてみると少し不思議な点もあるのです。

冠詞が省略されている

Princessはオックスフォード現代英英辞典では下記のように訳されています。

Daughter or granddaughter of the king or gueen (一部前文省略しています)
(王または女王の娘または孫娘)

実際に人の名前とともに使われる場合は下記のような形です。

Princess Diana
(ダイアナ妃)

もしPrincess Mononokeとしてしまうと、このMononokeはその人の名前そのものを指すことになってしまいます。
ですが、日本語のもののけは個人の名前ではなくあくまで名称ですね。
ろくろ首が妖怪の一種であるのと同じです。

実際には“サン”という固有の名前があります。

Princess Sunが正しいようにも思えます。
ですが、MononokeをSunにしてしまうと、もはや“もののけ”という言葉はどこにも含まれなくなります。
「サン妃(姫)」、日本語のタイトルであるもののけ姫とはかけ離れたタイトルになってしまいます。

やはり、もののけはもののけなのです。

あくまでもののけを使う場合は“The”を付けて

The Princess Mononoke
とするのが適切です。

この場合、「もののけ“の”姫」と訳すことができるからです。

実際、ジブリが当初使用していた英語タイトルは「The Princess Mononoke」でした。

ですが、海外で英語訳されたときにはTheは取られて「Princess Mononoke」となっています。

どうして最終的に“The”が取られたのか、そのいきさつは正直自分にも定かではありません。

ただ、唯一思い当たる部分があるとすれば、冠詞の省略です。

英字新聞などは、その記事タイトルはよく省略されて記載されます。
例えば、下記のような見出しがあります。

WWI bomber found in Thames
(第1次世界大戦時の爆撃機、テムズ川で発見)

本来bomberの前には“a”が、Thamesの前には”The”という冠詞が入ります。
ですが、新聞や雑誌などのヘッドラインはより短い文で分かりやすく内容を伝える必要があるため、“The”や“A”等の冠詞が省略されるのです。

このTheという冠詞の省略がもののけ姫の英語タイトルでもおこなわれたのかもしれません。

それでもやはり、“The”はつけるべきだったのでは、とも個人的に思います。
もののけ姫を示すTheは、ヘッドラインで短く・分かりやすく、という意味合いで省略するTheとは存在感・重みが違うと感じるからです。

もののけは訳せる?

もののけ、これは英語に訳されずそのままMononokeとして使われています。

もののけ、は英語に訳すことができなかったのでしょうか?

幽霊とか妖怪とか近いんじゃない?
となるとGhostとかPhantomとか?

ですが、海外で言うGhostやPhantomともののけはやっぱり違う。
そんなにはっきりとしているものではないからです、

そもそも、もののけ、って日本語でなんとなく分かっているようで、はっきりとは説明できない。
幽霊や妖怪と近そうだけど、なんとなく、のイメージでつかんでいたり自分もします。

もののけは漢字で“物の気”または“物の怪”と書きます。

この物は人間に対する“モノ”という意味合いです。
無生物・超自然的な存在、が本来このモノの持つ意味合いです。

気は“氣”とも書き、けむりやかすみのような存在を意味します。
神道の穢れ(けがれ)という言葉も人間の氣が枯渇した状態、つまり氣が枯れた状態を指します。

英語に訳すとなると、GhostやPhantomのように一言では訳すことができず、上記のことも伝える必要があります。

となると、それをタイトルに入れてしまうとかなり冗長になってしまう、タイトルというより説明文!
日本語のわび・さびという言葉のように、もののけはやはりもののけ、となるのです。

Princess Mononoke以外のタイトル案もあった?

このPrincess Mononokeですが、繰り返しになりますが、やはりMononokeとしてしまうと、海外の人からしたらMononokeってなに?となります。
なので、分かりやすい他のタイトルも考えられていたようです。

それが

The Spirit Princess
Vengeful Monster
Vengeful Spirit

等々です。

Spirit、という言葉があったか~。
確かにイメージは近い、思えば千と千尋の神隠しもタイトルは「Spirited Away」でしたね。

Spiritは“霊魂・精霊・霊・気力・気質・精神・心”、等を指します。
The Spirit Princessは訳すと「(精)霊の姫」といったところでしょうか。

Vengefulは日常生活ではあまり聞きなれない言葉ですが、“復讐心に燃えた・執念深い”、といった意味を持ちます。
う~ん、Vengeful MonsterやVengeful Spirit、としてしまうと全然ニュアンス違ってくる気がする。
もののけには、そんなはっきりした黒や赤のイメージはないし。

やはり、無理に英語に言い換えるより、もののけはもののけ、で良いのかもしれません。

まとめ

英語の訳って面白いです、そして難しいです。

英語は英語のまま理解しろ、という人がいるのも納得です。
かと言ってそれが正解かというと、また違ってくると自分は思いますが。

サンもwolf childと訳されることがあります。

日本ではサンは確かに狼に育てられましたが、サンはサンです。
この辺の差も面白い。

英語を勉強すればするほど、むしろ日本語の勉強が必要かも、と感じることが多々あります。

またアニメや漫画・映画等、言葉の発見があった際はこのブログの中で紹介していきたいと思います。